●小説・作家●
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谷崎作品とギリシャ神話 (2012-10-21)谷崎潤一郎研究会は、まだ野澤和男氏による『阪神大水害史からみた「細雪」山津波の件の一考察』が残っているのだが、その後もいろいろ思いついたことをつぶやいているうちに、谷崎文学とギリシャ神話の関係について少しまとまったので、ここで書いておきたいと思う。続きを読む
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第16回谷崎潤一郎研究会(2) (2012-08-09)3月24~25日、谷崎関係のことで神戸に行ってきた。そのことを4月に書いてから、早3ヵ月以上が過ぎてしまい、先月の谷崎の誕生日には残月祭にも行ってきた。残月祭のことも早く書きたいのだが、順番というものがあるので、今、ようやく谷崎潤一郎研究会の(2)を書いている。今回は、生江和哉氏による「『猫と庄造と二人のをんな』について~マゾヒズム、その可能性と不可能性~」について書こうと思う。続きを読む
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第16回谷崎潤一郎研究会(1) (2012-04-13)3月24~25日、谷崎関係のことで神戸に行ってきた。24日が第16回谷崎潤一郎研究会で、25日が芦屋市谷崎潤一郎記念館での谷崎秀雄氏の講演だった。続きを読む
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『春琴抄』―系図と憑依関係― (2011-12-31)今回も『春琴抄』。前回書いた後もずーっとツイッターにつぶやき続け、早く書きたいと思いつつ、年も押し詰まってしまった。『葵の女―川田順自叙伝』についても、谷崎著『羹』、『春琴抄』との絡みで進展があったので、これについても必ず書くつもりでいる(書く書くと書きながらなかなか書かず、ついに書かないで過ぎてしまったものもあり、我ながら困ったものだと思っていますが(^^;)。続きを読む
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『春琴抄』―主役を支配する存在― (2011-10-29)『葵の女―川田順自叙伝』の続きを書くつもりでいたが、その間に『春琴抄』の私の中での解釈に進展があり、それを突き詰めていたら1ヵ月以上経ってしまった。まだ最終的な詰めまでは行っていないが、その構造についてはある程度見えてきたので、とりあえずそれを書いてみたいと思う。『葵の女―川田順自叙伝』については第2回で『幼少時代』との絡みを書くつもりでいるが、これについても少し進展があった。特に「おふく」さんと「おきん」さんという名前について。「おふく」さんは言わずと知れた谷崎の初恋の人だが、谷崎の友人の証言や中河与一著『探美の夜』などを読むと、どうも途中からの谷崎の態度が冷たすぎる。その謎が見えたような気がした。『探美の夜』のおふくさんは2名のおふくさんを意図的につなげたのかもしれない。続きを読む
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『葵の女―川田順自叙伝』(1) (2011-09-21)最近、私の中で、谷崎文学の特に『蘆刈』以降の作品に一番影響した人物として川田順が浮かんできた。そこで、以前から気になっていた『葵の女―川田順自叙伝』をようやく入手して読んだ。続きを読む
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鼻たれ天狗―『瘋癲老人日記』解釈の過程から― (2011-09-07)都筑道夫という推理作家がいる。この人の作品に『鼻たれ天狗』というものがある。この作品には、『瘋癲老人日記』の入れ歯のシーンに引っかかって、それについて調べているうちに行き当たった。続きを読む
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第25回残月祭(3) (2011-08-11)チェックインのときに朝食券を見たら、レストランの名前が「シャングリ・ラ」だった。たまたまだけれども、ユーミン絡みで嬉しかった。これをmixiで書いたら、すぐにホテルの名前がわかった人がいた。すごい。続きを読む
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第25回残月祭(2) (2011-08-08)神戸には、残月祭当日に出かけていった。つまり、日~月という日程だ(土日にすれば良かったと少し後悔)。続きを読む
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第25回残月祭 (2011-08-06)7月24日、第25回残月祭に行ってきた。テーマは「妖しの世界への誘い―谷崎・乱歩・横溝」。戦前の一時期、谷崎が推理小説風の作品を書いたのが、日本の推理小説の先駆けになったということで、谷崎・乱歩・横溝の3人の作家をテーマに講演とシンポジウムが行われた。続きを読む
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『瘋癲老人日記』再読 (2011-06-29)先月のCD以来いろいろ気になり、『瘋癲老人日記』を読み返している。もう何度も読み返し、さらに細かいところをチェックしている。続きを読む
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「新潮」5月号特別付録CD 谷崎主演音声劇『瘋癲老人日記』 (2011-05-10)雑誌「新潮」5月号に、特別付録として谷崎主演の音声劇『瘋癲老人日記』のCDがついているとの情報を得て、早速購入、リピートして聴いている。続きを読む
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『夢の浮橋』年表と系図 (2011-02-14)6年前に作った『夢の浮橋』年表に誤りを見つけてから随分たったが、ようやく年表を作り直し、併せて系図も作り直した。続きを読む
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『夢の浮橋』2010年まとめ ほぼ結論か!? (2010-12-31)今年も一年間谷崎潤一郎著『夢の浮橋』にこだわってきたわけだけれども、紆余曲折の末、ようやく結論らしきものに至った。ただし、最後の締めまでは行っていないので、来年もこの旅はまだまだ続くものと思われる(^^;続きを読む
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『春琴抄』―ふたりの子供について (2010-09-18)『春琴抄』の私の解釈に進展があったので、『鴨東綺譚』をお休みして、『春琴抄』について書きたいと思う。続きを読む
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『鴨東綺譚』(その2) (2010-09-11)その1を書いてから随分経ってしまったが、今回は、『鴨東綺譚』が具体的にどのように『蘆刈』の頃と重ねられ、それが『夢の浮橋』につながったかを、テーマ別に挙げていこうと思う(池長氏についての記述は、高見澤たか子著『金箔の港―コレクター池長孟の生涯』より抜粋)。続きを読む
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『鴨東綺譚』(その1) (2010-08-30)7月下旬、ラブレターズのご愛読者様から昭和31年2月末から週刊新潮に連載された『鴨東綺譚』を送っていただいた。この作品は、モデル問題のために6回目で第一部完ということにして中断されたものだが、読み進むうちに、この方がなぜこの作品を送ってくださったかがよくわかった。この作品は、『蘆刈』と『夢の浮橋』の間を埋める作品だったのだ。続きを読む
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〔仮説〕『蘆刈』・『夢の浮橋』系図 (2010-05-29)前回、加藤医師と乳母との関係を書くと予告したが、『夢の浮橋』通しての系図を作ってみた。見るとエエッと思うかもしれないが、これにはもちろん理由がある。続きを読む
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『夢の浮橋』と『蘆刈』 (2010-05-03)先日、丁未子夫人のことを調べたくて三島佑一著『谷崎潤一郎と大阪』を読んだところ、『夢の浮橋』と『蘆刈』の関係について気になり、久しぶりに『蘆刈』を読み直した。続きを読む
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『夢の浮橋』加藤医師の件(4) (2010-03-17)加藤医師の4回目は、谷崎の母の死の前後について、中河与一著『探美の夜』から引用したい。前回、今回とこのような引用をするのは、『夢の浮橋』の第2の母の死のときに加藤医師が担わされた役割を考える参考になると思うことと、この2人の死を「母」の死として谷崎がオーバーラップさせたと考えるからである。続きを読む
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『夢の浮橋』加藤医師の件(3) (2010-03-04)加藤医師についての3回目ということで、中河与一著『探美の夜』から第2の母のモデル(第2の母の描写には、松子夫人の妹である重子夫人のエピソードも含まれているが、経歴については妹尾君子さんのものが濃厚に投影されている)である妹尾君子さんが亡くなる場面について見ていくことにする。この小説の執筆方針については加藤医師の件(1)に引用した通りだが、著者のあとがきに書かれているところを改めて引用しておく。続きを読む
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『富美子の足』の隠居と『夢の浮橋』の父 (2010-03-01)加藤医師の件に戻る前に、『富美子の足』を読んで、『夢の浮橋』の父について、見過ごしがたい共通点あるいは相違点を見つけたので列記してみたい(引用文:谷崎潤一郎文庫, 六興出版, 昭和53年)。続きを読む
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『富美子の足』 (2010-02-24)TBSの日本文学シネマで、谷崎の『富美子の足』が加藤ローサの主演で放送された。続きを読む
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『夢の浮橋』加藤医師の件(2) (2010-02-15)各資料について詳しく見ていく前に、加藤医師の登場場面をさらっておくことにする。続きを読む
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『夢の浮橋』加藤医師の件(1) (2010-02-13)乳母の次は加藤医師について書きたい。続きを読む
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『夢の浮橋』の乳母 (2010-01-20)その433で予告させていただいた、乳母と加藤医師の件だが、まず、乳母の問題を整理したい。続きを読む
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『夢の浮橋』と水上勉著『越前竹人形』 (2010-01-17)『夢の浮橋』は、第1稿の完成までは終始和やかに進み、そのまま決定稿の筆記に入ったところで雲行きが変わったことが伊吹和子著『われよりほかに─谷崎潤一郎 最後の十二年』に書かれている。その経緯をかいつまんで引用してみる。続きを読む
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谷崎にとっての「母」 (2010-01-16)その431では、糺が6歳、9歳、13、4歳の頃について『幼少時代』から抜き出したが、これには、谷崎が11、2歳の頃の重大な記述が抜けている。谷崎が明徳稲荷の神楽堂で毎月夜の闇に不思議な悪夢を見始めた時期にもあたる(寿々女連がおこの事件を扱ったのを見たとき、谷崎はその首に誰を見ていただろうか。松平紀義で検索すると、いろいろと興味深いことが出てくる)。続きを読む
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『夢の浮橋』と『幼少時代』 (2010-01-14)その430で予告させていただいたが、『幼少時代』の気になるところを再び確認していたところ、『夢の浮橋』と『幼少時代』に書かれている年齢がシンクロしていることが確認できた。2005年にその280を書く時に作った年表(糺の生まれたときからになっているが、これを最初の母16歳の時から作っていたら、2人の母の関係や乳母の位置が浮かび上がってきたのではないかと思う)を見ながらそれらを検証してみたい。なお、この過程で、『春琴抄』の春琴と佐助の別のモデル(谷崎の伯父と伯母、いずれも谷崎の両親の実の兄であり姉である)や、春琴の失明に菱田春草の名前や市川新造のエピソードを引いているらしいこと、それから佐助が眼を潰すのも幼時に見た歌舞伎から来ているらしいのを見つけたが、これはまた別の話なので、またの機会に書くことにする。続きを読む
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谷崎の中に棲む、芸術の栄養を蓄えた「悪人」 (2009-12-27)前回、『夢の浮橋』と『春琴抄』を場面別に比較したことで、図らずも、両作品に煉りこまれた砂糖を取り去る結果になった。それは、物語の下敷きに血縁に対する理屈では説明できない真情(武についてはまた別)を織り込ませている『夢の浮橋』よりも、『春琴抄』において、より顕著である。続きを読む
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『夢の浮橋』と『春琴抄』―場面別文章比較 (2009-12-21)『春琴抄』を改めてじっくり読み直してみたところ、『夢の浮橋』との間に見過ごし難い共通点、あるいは相違点を見つけた。『春琴抄』の「佐助犯人説等(お湯かけ論争)」や、『夢の浮橋』の、糺の語らないところを埋める資料にもなると思うので、列記してみたい(引用文:谷崎潤一郎文庫, 六興出版, 昭和53年)。続きを読む
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『夢の浮橋』執筆動機の考察 (2009-12-15)源氏物語の最終巻「夢の浮橋」を青空文庫で読んだ。前に新潮古典集成で読んだことはあるのだが、今回は与謝野晶子版でおさらい。続きを読む
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『夢の浮橋』と『春琴抄』―佐助犯人説と絡めて (2009-12-12)mixiの谷崎コミュで、『春琴抄』の「佐助犯人説」についてコメントを書いた。その時に、ラブレターズでずーっと拘ってきた『夢の浮橋』のことも引用したので、ここで改めて整理して書いてみたいと思う。続きを読む
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『夜にはずっと深い夜を』 (2009-09-05)鳥居みゆき著『夜にはずっと深い夜を』を読んだ。続きを読む
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『愛なき人々』 (2009-07-23)この作品は、『愛すればこそ』の翌年、大正12年1月号の『改造』で発表された。この作品の中には既に佐藤春夫はいない(読者は佐藤春夫を頭に浮かべていただろうが)。登場するモデルは、谷崎、千代夫人、せい子さん、それから女性にモテるけど生活力がないらしい男性である。ちなみに谷崎一家と和田青年が初めて出会うのは、この年の8月なので、この作品の執筆時点ではまだ和田青年とは出会っていないことになる。続きを読む
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『愛すればこそ』 (2009-07-21)この作品は、大正10年12月に第一幕を、大正11年1月に第二幕、第三幕が発表された戯曲である。大正10年は、1月に小田原事件があり谷崎と佐藤春夫の間で激しい手紙の往復の後絶交し、お互いにこの事件を題材にした作品を発表し合っていた時期である。続きを読む
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『恋を知る頃』 (2009-07-18)久しぶりに谷崎のことを書きたい。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その8) (2008-12-30)10月末から続いたこの連載も、今回が最後になる。ここで、『卍』と『捨てられる迄』がどのように似ているか、それから『卍』が後の『細雪』にどのように発展していくかについて書いていきたい。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その7) (2008-12-29)その6を書いたときまだ途中だった、『黒白』を読み終わった。この作品は、主人公である作家が「人を殺すまで」という作品を書いている途中で、モデルに使った人物の実名を誤って書いてしまったことで、そのモデルが実際に被害に遭う可能性に気づいたところから話が転がっていく。その場合、確実に主人公である作家が疑われるということで、それを回避するために、続編である「「人を殺すまで」を書いた男が殺されるまで」を書こうとするのだが…というお話だ。結局、続編は間に合わず、予想通りに事件が起き、予想通り主人公が取り調べられ、そこで彼がわざわざ饅頭怖いよろしく自分は痛さに極度に弱いから、拷問などされたらあることないことしゃべってしまうかもしれないなどと言うことによって、自らその方向に飛び込んでいってしまうというところでこの小説は中断している。中断だが、もうこの時点で真犯人が誰か、他の人間ではありえないくらいわかるし、ちょうど主人公のマゾヒストらしいところが出たところで、その続きを書く意味がなくなってしまったのかもしれない。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その6) (2008-12-08)前回の記事を書いていて、「ああ、これまで谷崎は善か悪か、白か黒かばかり書いてきたけど、これでグレー(さらに深化して陰翳)を知ることになったのだなぁ」などと思っていたところ、そういえばこの頃、『黒白』という小説を書き、中断したままになってしまったことを思い出した。そこで、図書館でこの『黒白』の入っている谷崎潤一郎全集の第11巻、網野菊のことも知りたかったので、自筆年表と『震災の年』というエッセイの入っている『網野菊全集第三巻』、それから『卍』の連載回数をはっきり知りたかったため、改造目次総覧の収録されている「雑誌『改造』の四十年」を借りた。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その5) (2008-11-20)『卍』は、雑誌「改造」に昭和3年3月から断続的に連載され、5年4月で終わった。その間、確認している範囲で4年6月と4年11月に休載されているので、計24回ということになる。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その4) (2008-11-17)その2には、まだ誤りがあった。最も肝心な手紙の日付である(T_T)。江田治江さんが手紙を受け取ったのが昭和4年1月25日、同日付と書いた佐藤春夫宛の手紙は、2月25日付だった(その2の該当個所は修正済)。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その3) (2008-11-08)その2を書いてから網野菊についてさらに調べていたのだが、なかなか情報が集まらない。これは全集を調べるしかないと思うが、とりあえずその後わかった情報は、次の通りである。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その2) (2008-11-02)『卍』の連載が始まったばかりの頃、昭和3年、3月23日付で、谷崎は当時奈良に住んでいた網野菊という人に、3月29日に岡本好文園の谷崎家に来て欲しいという手紙を出している。この人は、関東大震災後、当時京都にいた志賀直哉を訪ね、以来、彼を生涯の師とした作家だが、谷崎がこの手紙を出すにあたっては、師匠である志賀直哉から彼女の住所を教えてもらっている。このとき志賀直哉は奈良に移転していた。続きを読む
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その1) (2008-10-27)谷崎の作品を考えるとき、『卍』はとても不思議な存在だった。一見、モデルがわかりそうでわかりにくいし、その頃の谷崎にこれに該当する事件があったようでないからだ。続きを読む
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『流星の絆』 (2008-10-10)東野圭吾著『流星の絆』をマサノリに勧められて読んだ。この作品は、今クールのドラマになっているが、それが始まる前に読めたのは丁度良いタイミングだった。続きを読む
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観念の坩堝にかき混ぜて (2008-09-12)随分前になるが、ふるだぬきさんから日経の日曜版に載っている「彼らの第4コーナー」から、谷崎について書かれた分の第2回から第4回の記事をいただいた。第2回は、『潤一郎ごのみ』の著者である宮本徳蔵氏の話を中心とした、谷崎の食に対するこだわりを中心に。第3回は、『われよりほかに―谷崎潤一郎最後の十二年』の著者である伊吹和子氏の話を中心に、谷崎の作品に対する姿勢について。第4回は、渡辺淳一氏や千葉俊二氏の話から、女性へのあくなき執着について書かれている。続きを読む
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渡りをへたる夢のうきはし (2008-08-31)その392を書き終わったところで、軽い達成感を覚えたが、その後もつらつら考えていたところ、頭の中に松子夫人やその姉妹たちと暮らした時代が、きらびやかに浮かび上がってきた。この浮橋は、松子夫人や重子夫人の上に「母」のイメージを与えて暮した日々自体を現しているのだろう。続きを読む
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『夢の浮橋』みよこ的解釈(その3) (2008-08-30)その2でいったん止めようと思ったが、やはり最大の問題点である第2の母の死の問題を残したままにしておくのはということで、第2の母はなぜ死ななければならなかったかについて書いてみたい。そして最後に、やはり犯人がわからない状態でヒロインが受難する『春琴抄』についての解釈を少し加えて、『夢の浮橋』に対する現時点での私の解釈としたいと思う。続きを読む
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『夢の浮橋』みよこ的解釈(その2) (2008-08-18)『夢の浮橋』が書かれる前、2つの事件が起こっている。1つは、妹尾君子さんをモデルにした小説『お栂』の原稿発見。もう1つは、長いこと行方がわからなかった三男の得三氏の消息がつかめたことである。続きを読む
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『夢の浮橋』みよこ的解釈(その1) (2008-08-08)『夢の浮橋』については、これまでもこだわって書いてきたが、ここでいったんまとめてみたいと思う。『幼少時代』を読んで、今まで気づかなかったことが多く見つかり、これがこの作品を解釈する上で、どうしても引っかかっていた部分を解き明かしてくれたからだ。続きを読む
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谷崎の母―『幼少時代』より (2008-07-31)『谷崎潤一郎東京地図』を一旦休んで、このあたりで谷崎の「母」について整理しておきたいと思う。続きを読む
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『谷崎潤一郎東京地図』(その2) (2008-07-21)谷崎は、小学校の最初の1年のとき、落第した。事情は、この本に引用されている『幼少時代』に次のように書かれている事情からである。続きを読む
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『谷崎潤一郎東京地図』(その1) (2008-07-12)ふるだぬきさんのご紹介で、『谷崎潤一郎東京地図』を読んだ。続きを読む
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『こころの王国』(その3) (2008-07-04)その2を書いてから、1週間が経ってしまった。今回は、こころの王国最終回ということで、いよいよ菊池寛について書こうと思う。この回で最終回にするため、かなり長くなると思うが、しばしお付き合いいただきたい。続きを読む
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『こころの王国』(その2) (2008-06-27)この作品の舞台になった、昭和5年頃の文芸春秋には、この小説にも出てくる「婦人サロン」の記者として、後に谷崎潤一郎の妻になる古川丁未子さんが入社していた。続きを読む
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『こころの王国』(その1) (2008-06-24)先月下旬、ヒデさんから映画『丘を越えて』のご紹介があった。菊池寛のお話ということなのでぜひ見たかったのだが、残念ながら期間中に行けそうもなかったので、原作である猪瀬直樹著『こころの王国』を購入して読んだ。続きを読む
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『華の棺』 (2008-05-20)西村京太郎著『華の棺』を読んだ。この作品は、この作品は、ミステリー作家山村美紗の恋人だった西村京太郎が、彼女とのことを書いた『女流作家』の完結編として書かれた小説だ。続きを読む
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『ロス:タイム:ライフ』 (2008-04-28)小林雄次著、筧 昌也原案『ロス:タイム:ライフ』を読んだ。この作品は、テレビドラマで放映されたものを小説化したもので、テレビで放送されたものの一部と、この本のための書き下ろしが併せて収録されている。続きを読む
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『夜明けの街で』 (2008-04-26)東野圭吾著『夜明けの街で』を読んだ。この本は、マサノリが購入したのだが、彼がまだほとんど読まないうちに、私が読んでしまった(^^)続きを読む
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『磯田多佳女のこと』 (2008-03-31)谷崎潤一郎著『磯田多佳女のこと』という本を読んだ。前の記事で書いた『谷崎潤一郎の京都を歩く』で興味が湧いたからだ。実は、さきほどのガイドブックを読むまで、この本の存在は知っていたが、はっきり言ってあまり興味はなかった。磯田多佳という人自体を知らなかったからである。続きを読む
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『谷崎潤一郎の京都を歩く』 (2008-03-29)苗場のレポートはもう少しお休みして(^^;、つい最近読んだ『谷崎潤一郎の京都を歩く』というガイドブックについて書きたいと思う。続きを読む
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『この三つのもの』 (2008-01-23)佐藤春夫著『この三つのもの』を読んだ。その370で『アンボス・ムンドス』を読んだときに興味を持ったのがきっかけだ。続きを読む
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『人妻魂』 (2007-12-28)嵐山光三郎著『人妻魂』を読んだ。ヒデさんのお勧めで、早速注文。じっくり読んでたので、お勧めいただいてから時間がかかってしまった。続きを読む
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『アンボス・ムンドス』 (2007-12-15)桐野夏生著『アンボス・ムンドス』を読んだ。何やら訳のわからないタイトルだが、このタイトルになった作品に書いてある言葉を引くと、「両方の世界・新旧ふたつの世界」という意味だそうだ。作品の中では、そこから、東西、表裏、左右、男女、明暗など、対になる言葉が引き出されている。この本には、それらの言葉を思い浮かばせる作品が収められている。続きを読む
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『当世鹿もどき』(その3 芥川龍之介が結ぶの神) (2007-12-08)随分と久しぶりになったが、『当世鹿もどき』の続きを書きたい。今回は「芥川龍之介が結ぶの神」というタイトルが付いた一文について。続きを読む
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NHK映像ファイル あの人に会いたい「谷崎潤一郎」 (2007-10-06)先日、ふるだぬきさんから、壁紙クイズの回答と共にこの番組の情報をいただいた。今回は『当世鹿もどき』を休んで、この番組のお話をしたいと思う。続きを読む
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『当世鹿もどき』(その2 はにかみやつづき) (2007-09-27)前回、終平さんの著書の引用と手前の実家の母の話で終わってしまいましたので、今回も引き続き、「はにかみや」について書いてまいりたいと存じます。続きを読む
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『当世鹿もどき』(その1 はにかみや) (2007-09-23)その356で購入した谷崎終平著『懐しき人々―兄潤一郎とその周辺』に引用されてましたもので、手前、どうしても欲しくなり、Amazonのマーケットプレイスで購入しました。今回、文体が変わっておりますのは、この随筆集の文体を真似ているからでございます。女だてらに手前などと申しますのも何やらおかしな感じもいたしますが、辞書を引いてみました限り、問題はなさそうでございますので、このシリーズのみこの文体で書かしてもらいます。続きを読む
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『文豪ナビ 谷崎潤一郎』 (2007-09-09)谷崎関係の本をいろいろ検索していたら、『文豪ナビ 谷崎潤一郎』というのを見つけた。どうやら新潮社が自分のところで出している文庫本の売上げを伸ばそうと出しているもののようだが(^^) どんなことが書いてあるのかちょっと興味が湧いたので、本屋さんで見て購入した。続きを読む
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八木書店古書部 (2007-09-02)先日、仕事で都内に出た帰りに神保町の八木書店古書部に行ってきた。国語国文学専門古書店は、いままでは水道橋の日本書房の方を多く利用してきたのだが、さすが八木書店、品揃えが全然違う。ただし、お値段は総じて日本書房より高めだ。続きを読む
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『捨てられる迄』(その2) (2007-08-24)随分と間が開いてしまったが、『捨てられる迄』と絡めて『谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡』、それから遺言のような未完の小説のお話を書きたい。続きを読む
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『捨てられる迄』(その1) (2007-08-12)『熱風に吹かれて』を読んだ後、その次に『捨てられる迄』という作品が入っていたので読んでみた。作品の最後に物語が何年何月に作られたかが書かれているのだが、『熱風に吹かれて』が大正2年8月、この『捨てられる迄』が同年11月である。『熱風に吹かれて』を仕上げた後、すぐにこの作品にとりかかったとみられる。続きを読む
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『熱風に吹かれて』 (2007-08-08)その351で読みたいと書いた『熱風に吹かれて』を読み終わった。続きを読む
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『谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡』(その3) (2007-07-19)その2を書いてから1ヵ月が過ぎてしまった。続きを読む
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『谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡』(その2) (2007-06-18)この書簡集は、昭和26年から昭和40年までの往復書簡が収録されている。続きを読む
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『谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡』(その1) (2007-06-14)『谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡』を読んだ。続きを読む
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『吾登夢』 (2007-05-23)畑谷玲子著『吾登夢』を読んだ。続きを読む
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奇縁まんだら―佐藤春夫の回(その3) (2007-05-19)今日の『奇縁まんだら』は、『つれなかりせばなかなかに』周辺一色だった。タイトルは「佐藤春夫夫人の恋」。和田六郎が妻子をつれて、当時佐久に疎開していた佐藤夫妻のところを訪ねたときの話が中心になっている。続きを読む
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奇縁まんだら―佐藤春夫の回(その2) (2007-05-19)5月12日の『奇縁まんだら』は、佐藤春夫の第2回だった。続きを読む
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奇縁まんだら―佐藤春夫の回(その1) (2007-05-05)今日の日経新聞の「奇縁まんだら」で佐藤春夫が採り上げられている。続きを読む
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観世榮夫さん交通事故 (2007-05-03)今日、標題のニュースを目にした。ご本人が運転していたそうだが、79歳だそうだ。この事故で、本人は怪我で済んだようだが、助手席に乗っていたマネージャーさんは残念ながら亡くなられたそうだ。なんとそのマネージャーさんも70代だったそうだ。続きを読む
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目白坂 (2007-04-24)22日、前回の『奇縁まんだら』に出てきた目白台アパートと、「翳りゆく部屋」のパイプオルガンのある関口カテドラル(東京カテドラル、現在外装大改修中)、サイトで調べた佐藤春夫旧居跡を訪ねるべく、出かけてきた。続きを読む
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奇縁まんだら―谷崎潤一郎の回 (2007-04-17)日経新聞連載の瀬戸内寂聴のエッセイ『奇縁まんだら』で、先月3回にわたって谷崎が採り上げられたということで、ふるだぬきさんがスクラップを送ってくださった。続きを読む
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谷崎と千代元夫人―離婚後の付き合い (2007-01-30)書簡集を読んでいるうちに、興味深い手紙が見つかった。続きを読む
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谷崎の手紙発見される (2007-01-26)今週、にわかに谷崎関係のアクセスが増えた。なぜだろうと検索してみたら、こんな記事が…続きを読む
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『われよりほかに』(その2) (2006-12-19)また随分間が開いてしまったが、『われよりほかに―谷崎潤一郎最後の十二年』について、続きを書きたいと思う。続きを読む
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『われよりほかに』 (2006-12-04)その310で書いた『われよりほかに―谷崎潤一郎最後の十二年』を読み終わった。お昼の僅かな時間だけ読んでいたのでずいぶん長くかかってしまったが、なかなか面白かった。特に、谷崎の言葉がその口調そのままに書かれているのは、他の本では見たことがなかったので、「へぇ~、谷崎ってこういう話し方してたんだ」と思いながら読んだ。続きを読む
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『秋刀魚の歌』 (2006-09-24)今まで「小田原事件」とやたら書いてきたが、小田原事件って何? という人も多いと思う。続きを読む
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『つれなかりせばなかなかに』 (2006-09-21)『蓼喰う虫』に関連して、瀬戸内寂聴著『つれなかりせばなかなかに』を読んだ。副題が文豪谷崎の「妻譲渡事件」の真相となっている。この著者が書いた伝記作品は今までもいくつか読んだ。が、この本は、伝記作品ではなく、主に和田六郎のご子息である和田周氏からの聞書きを中心としたいわば取材ノートになっている。続きを読む
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『谷崎潤一郎伝―堂々たる人生』(その2) (2006-08-27)『蓼喰う虫』の頃について、谷崎潤一郎伝には第二の男(阿曾の真のモデル)の本名と、小田原事件の頃の佐藤春夫の長い長い「出さない手紙」の抜粋が載っていた。あと、その後谷崎が結婚しようとしていた女中さんの話も出てきたが、それ以外はこの件で特に目新しいものはなかった。が、私はこのときの千代夫人の心の動きに関心がある。続きを読む
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『谷崎潤一郎伝―堂々たる人生』 (2006-08-23)ふるだぬきさんお勧めの小谷野敦著『谷崎潤一郎伝―堂々たる人生』を読み終わった。続きを読む
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『町長選挙』 (2006-06-12)奥田英朗著『町長選挙』を読んだ。久しぶりの伊良部物ということで、わくわくしながら読み始めた。続きを読む
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『容疑者Xの献身』 (2006-06-11)久しぶりに小説の話を。続きを読む
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『白夜行』と『幻夜』 (2006-03-12)ドラマに触発されて『白夜行』、続いて『幻夜』を読んだ。いずれも直木賞候補になりつつ惜しくも受賞できなかった作品だ。続きを読む
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『聞書抄』 (2006-01-26)第二盲目物語と銘打たれている『聞書抄』を読んだ。実は年末に読んでいたのだが、なかなか書く時間がなく、今になってしまった。続きを読む
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『僕の散財日記』 (2005-12-28)松任谷正隆著『僕の散財日記』を読んだ。この本についてはユーミンカタログの方にも少し感想を書いたが、正隆さんでなければ書けない濃ーい内容になっている。続きを読む
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『夢の浮橋』モデル考 (2005-12-09)さて、その287で見つかった『夢の浮橋』の2番目の母のモデルの話に入りたい。続きを読む
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「お久」発見? (2005-12-05)やはり「お久」は松子夫人ではなかったようだ。続きを読む
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『うああ哲学事典』 (2005-12-04)須賀原洋行著『うああ哲学事典』を読んだ。この作者は、モーニング上で『気分は形而上』という哲学漫画を書き、その中で特に奥さんのことを書いた実在OLシリーズが大ヒットした名古屋在住の漫画家だ。続きを読む
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『蓼喰う虫』モデル考(その2) (2005-12-02)さてお久だが、まず「老人」が誰かを考えてみたら、『蓼喰う虫』の挿絵を描いた小出楢重という人が浮かんできた。浄瑠璃に造詣があるらしいし、調べてみるといろいろ興味深い情報も出てくる。続きを読む
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『蓼喰う虫』モデル考(その1) (2005-11-29)『蓼喰う虫』を読んでいるとき、主人公要を谷崎に当てはめ、妻美佐子を千代夫人に当てはめていた。まあ、これは順当だろう。で、妻美佐子の恋人阿曽は当然佐藤春夫がモデルであることを疑いもしなかった。が、どうももう一人、第三の男がいたらしい。このことは、秦恒平著『神と玩具の間』に出てくる。続きを読む
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『蓼喰う虫』 (2005-11-28)谷崎潤一郎著『蓼喰う虫』を久しぶりに読んだ。続きを読む
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野村尚吾『谷崎潤一郎 風土と文学』(その2) (2005-11-18)前回に続いて『夢の浮橋』の背景を探った。今回のテーマは「母」。続きを読む
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野村尚吾『谷崎潤一郎 風土と文学』(その1) (2005-11-16)『夢の浮橋』の背景を、もう少し調べたくて、標題の本を久しぶりに手に取った。西神田の出版社に勤めていた頃、よく神田の古書店街に行って谷崎関係の本を探していたのだが、そのときに購入したものだ。続きを読む
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『食魔』 (2005-11-12)岡本かの子著『食魔』を読んだ。この作品は、その279『夢の浮橋』のときに日本ペンクラブ電子文藝館で見つけた。青空文庫でも公開されている。続きを読む
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『ララピポ』 (2005-11-09)奥田英朗著『ララピポ』を読んだ。マサノリに勧められて手にとってみたが、「ララピポ」と実に可愛らしい音感と可愛らしい書体に少し胸をはずませて読み始めた。続きを読む
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『夢の浮橋』年表 (2005-11-04)谷崎潤一郎著『夢の浮橋』では、途中のいたるところで登場人物の年齢が出てくる。誰が何歳で、誰が何歳違いの何歳など、いちいち確認する。口述筆記ということもあるかもしれないが、これは何かを暗示するためであると考えるのが自然だ。続きを読む
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『夢の浮橋』 (2005-10-28)谷崎潤一郎著『夢の浮橋』の全文が、ネット上で公開されている。続きを読む
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『花の影』 (2005-10-24)平岩弓枝著『花の影』を読んだ。続きを読む
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『子乞い』 (2005-10-11)その275で読みたいと書いた、ドラマ「瑠璃の島」の原作『子乞い』を読んだ。続きを読む
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『サウスバウンド』 (2005-09-29)奥田英朗著『サウスバウンド』を読んだ。続きを読む
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『アキハバラ@DEEP』 (2005-09-15)いつものように、ベッドの脇にマサノリが購入した本が転がっていた。開いてみたら、『アキハバラ@DEEP』というタイトルで、著者は石田衣良だった。面白そうだったので、早速読んでみた。続きを読む
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アッコちゃんと二条 (2005-09-09)例によって古典と比較(^^; 『アッコちゃんの時代』に、学生時代の恋人が出てくるのだが、これがどうにも『とはずがたり』の雪の曙を思い浮かばせて…。続きを読む
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『アッコちゃんの時代』 (2005-09-08)林真理子著『アッコちゃんの時代』を読んだ。この小説は、ミュージカル「ヘアー」をプロデュースして、ユーミンのデビューのきっかけになった川添象郎さんの、奥さんがモデルになっている。続きを読む
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『KAZEMACHI CAFE』 (2005-05-17)松本隆対談集『KAZEMACHI CAFE』を読んだ。帯に書かれているコピー「賞味期限が長そうな、濃ゆい茶飲み話」そのままの、実に濃い内容の対談集だった。続きを読む
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『ダイヤモンドダスト』 (2005-04-19)南木佳士著『ダイヤモンドダスト』を読んだ。南木佳士は、映画『阿弥陀堂だより』の原作者で、現在、佐久総合病院で医師をしながら執筆活動をしている作家だ。続きを読む
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『空中ブランコ』 (2005-03-30)もうだいぶ前になるが、奥田英朗の『空中ブランコ』を読んだ。続きを読む
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『泳いで帰れ』 (2005-02-10)サラリーマン小説で有名な奥田英朗のアテネ五輪観戦記、『泳いで帰れ』を読んだ。続きを読む
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『魔法使いハウルと火の悪魔』 (2004-12-01)映画『ハウルの動く城』を見て以来、ベーコンエッグが食べたいと言うなど、マサノリはすっかりこの世界にはまってしまった。そして、この本を買ってきた。続きを読む
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並びの必須アイテム (2004-12-01)11月28日、何年ぶりかで並んでチケットを取った。ということで、まだ風邪が完全に治ってないというのに、寝袋に入って夜を過ごした。並んだ甲斐があって、横須賀2日分のチケットが取れた。続きを読む
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『キャンティ物語』 (2004-10-12)10月10日に、東京キャンティ物語というドラマが放送されたが、その原作である野地秩嘉著『キャンティ物語』を読んだ。続きを読む
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『秘密』 (2004-08-27)東野圭吾著、『秘密』を読んだ。数年前、広末涼子、小林薫主演で映画化された作品だ。続きを読む
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マサノリから見たニシノユキヒコ (2004-05-22)『ニシノユキヒコの恋と冒険』を読んだあと、まだ何か釈然としないところが残った。そこで、試しにマサノリに「ニシノユキヒコは、結局誰のことが一番好きだったと思う?」と聞いてみた。帰ってきた答えは、続きを読む
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『ニシノユキヒコの恋と冒険』 (2004-05-12)川上弘美著、『ニシノユキヒコの恋と冒険』という小説を読んだ。恋愛小説はあまり得意としないマサノリが、この著者の名前をこのごろ良く見るということで読み始め、珍しく私に勧めてくれた作品だ。続きを読む
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『天国の本屋』 (2004-04-18)6月、『天国の本屋~恋火』の全国ロードショーが始まる。ユーミンが主題歌『永遠が見える日』を歌う。そこで、この原作を読んでみた。続きを読む
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『蹴りたい背中』 (2004-01-16)昨日史上最年少芥川賞を受賞した、綿矢りさの受賞作『蹴りたい背中』を電子書籍で読んだ。この人の作品では、その104に書いているとおり『インストール』を読んだことがある。今回最年少で芥川賞候補になっていると知ったとき、これは! と思い、すぐにDigiPa(http://www.digipa.com/)で購入した。続きを読む
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『人面疽』 (2003-12-30)『ブルーもしくはブルー』は、ドッペルゲンガーという、分身をテーマにした話だった。で、このドッペルゲンガーというものに興味を持ったのでネットで調べてみたら、私の好きな谷崎潤一郎もテーマにしているという記事が見つかった。はて、そんなのあったかしらと思いつつ、谷崎がミステリー的なものを続けて書いた時期があったことを思い出し、この作品に行き当たった。続きを読む
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『anego』 (2003-12-15)林真理子著『anego』を読み終わった。帯に書いてあるとおり、最後の一行で背筋が凍った。続きを読む
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『ウエディング日記』 (2003-11-28)林真理子が結婚したばかりの頃の雑誌の連載を集めたものが、標題のタイトルで角川文庫から出ている。その中には、標題のウエディング日記と、新妻日記、わびさび日記が入っており、いずれも新妻真理子さんのハシャギぶりをたっぷりと味わわせてくれる。続きを読む
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『ロストワールド』 (2003-11-26)映画ではなく、林真理子の小説の話だ。続きを読む
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『本を読む女』 (2003-11-13)林真理子著『本を読む女』を読み終わった。今、NHKでやっているドラマ『夢みる葡萄』の原作だ。内容は林真理子の母親の半生を描いたものだ。続きを読む
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『葡萄が目にしみる』 (2003-10-23)今、NHKで『夢みる葡萄』というタイトルで、林真理子の『本を読む女』を原作にしたドラマをやっている。なかなか面白い。で、その原作を買おうと本屋へ行ったところ、残念ながら見当たらず、その代わり、山梨を舞台にした2つの小説を求めてきた。そしてまず読んだのが、標題の作品だ。続きを読む
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『ハードボイルド/ハードラック』 (2003-10-17)吉本ばなな著『ハードボイルド/ハードラック』が、例によってベッドの脇にあった。早速読んでみると、ハードボイルドは死んだ人との交流、ハードラックは死んでいく人の周辺で起こるこれからも生きていかなくてはならない人々の交流が描かれている。続きを読む
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『エ・アロール』 (2003-07-31)シャングリラ2の大阪遠征のときに、難波のジュンク堂で渡辺淳一著『エ・アロール』のサイン本を見つけて買ってきた。老人ホーム、というより高級な老人入居施設のお話だが、プレイボーイ、プレイガール、その他さまざまな入居者が、次々と色々なことを引き起こす。エ・アロールの意味は、フランスのミッテラン元大統領が愛人のことを聞かれて答えた「それがどうしたの?」という意味である。続きを読む
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『ボス』 (2003-05-23)『マドンナ』の入っている本は、短編集になっている。作者はサラリーマン物が得意なようで、全編サラリーマンが主人公だ。続きを読む
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『マドンナ』 (2003-05-20)雑誌プレジデントを初めて読んだが、なかなか面白い。普段あまり手にすることのない経営者の本だが、サラリーマンが読んでみるのもいいと思う。普段あまり考えない方面からの考え方が見えて、かなり役に立つ。続きを読む
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『顔世』(かほよ) (2003-05-11)今回は、太平記巻二十一の「塩冶判官讒死事」を、谷崎潤一郎が戯曲化した『顔世』について書いてみたい。続きを読む
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『娼年』 (2003-05-07)この小説も石田衣良の作品だ。主人公のタイプや話の成り行きは『波のうえの魔術師』とよく似ている。ただ、波のうえの魔術師が男の世界なのに対して、こちらは女性について乾いた筆致で深く追求する物語だ。続きを読む
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『波のうえの魔術師』 (2003-05-05)この作品は、ドラマビッグマネー!でほぼ原作に忠実に放映された。ただし、原作の登場人物はもう少し乾いていて、その中で鈍い光を放っていた。また、問題の金融商品についても、原作どおりだとほとんど全ての銀行・生保がひっかかってしまうので、特殊な商品ということにしていた。続きを読む
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『スローグッドバイ』 (2003-05-04)石田衣良、マサノリがこのごろ気に入っている作家だ。主な作品に『池袋ウエストゲートパーク』(同名ドラマ原作)、『波のうえの魔術師』(ビッグマネー!原作)がある。両方とも、長瀬智也が主演している。続きを読む
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『夏菊』 (2003-04-21)仕事に使う機械を設置するために部屋を片付けていたところ、ダンボールの中から谷崎潤一郎関係の本が出てきた。その中に、『谷崎潤一郎全集第14巻』があった。たぶん神田の古書店で買ってきたものだろう。奥付は昭和四十八年十一月普及版発行となっていて、検印のところには「潤」という落款の押された紙が貼られ、その上を、検印の紙に触れないところに一点糊をつけたパラフィン紙で保護してある。続きを読む
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『挑む女』 (2002-12-17)群ようこ作、『挑む女』を読んだ。続きを読む
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『アルジャーノンに花束を』 (2002-12-02)ダニエル・キイス著『アルジャーノンに花束を』を読んだ。この作品は、多くの人の涙を絞ったらしい。が、私は泣けなかった。あまりにもチャーリーと自分を重ね合わせすぎたから。続きを読む
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『文章読本さん江』 (2002-11-17)エディカラーのMLで、この本を読まれた方が爆笑したと書かれたので、谷崎潤一郎ファンである私としてもこれはぜひ読まねばと思い、早速読んでみた。続きを読む
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『東京タワー』 (2002-11-13)田口ランディの本が、まだ他にもないかとマサノリのベッドを探したところ、江国香織の『東京タワー』が出てきた。ということで早速読んでみたところ、どうもこれはマサノリの分野ではなく、私の分野のようだった。で、マサノリになぜこの本を買ったか聞いたところ、続きを読む
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『昨晩お会いしましょう』 (2002-11-03)例によってマサノリがベッドの脇に置いた本の中に、『昨晩お会いしましょう』という田口ランディの短編集があったので、読んでみた。タイトル作と、次の作品を読んだところで疲れた。続きを読む
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『インストール』 (2002-10-24)昨日の夜、ベッドの脇に『インストール』という高校生の女の子が書いた小説が置いてあった。マサノリが読んだものだ。マサノリは、自分が読んだもので、お勧めのものは、私の目につくようなところに置いておく癖がある。私が自分ではまず買わないような小説でも、マサノリがこれはいいと思ったら、そのようにして私に情操教育を施してくれる。自分ひとりの選択ではどうしても範囲が狭まるので、このシステムには随分助けられている。続きを読む
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『おんなみち』 (2002-05-02)ずいぶん前になるが、平岩弓枝の『おんなみち』という作品を読んだ。老舗の一人娘として店を背負って生きる運命を引き受けた女性の波乱の半生を描いた小説だ。続きを読む
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活字中毒 (2002-05-01)私は本屋さんに行くと、いろいろな本に目が行って、一度に1万円以上買ってしまうことがある。その中には買ったはいいけどほとんど読んでいないものもある。本を見ると、それだけでワクワクするし、強烈に「欲しい!」と思うのだ。続きを読む
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『自負と偏見』 (2002-04-24)前に読んだ『ブリジットジョーンズの日記』がこの作品の登場人物をもとに書かれたということで、読んでみた。続きを読む
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『ブリジットジョーンズの日記』 (2001-10-31)今、『ブリジットジョーンズの日記』を読んでいる。イギリスのごくごく普通の30代独身女性の日記という形の物語だ。続きを読む
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身代わりの恋 (2001-10-15)岩井俊二監督の『Love Letter』と、同氏の小説『ラヴレター』を読んだ。続きを読む
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定・吉・二人きり (2001-10-05)渡辺淳一は、阿部定にとても興味を持っている。いや、定自身よりも、その相手の吉蔵にあこがれに近い感情をいだいているのかもしれない。このままだと定に殺されるかもしれないとわかっていながら逃げなかった吉蔵に。続きを読む
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渡辺淳一文学館 (2001-10-03)札幌遠征のとき、例によって文学散歩をした。そのうちの1ヵ所、渡辺淳一文学館について書きたいと思う。続きを読む
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『飾り火』 (2001-04-11)連城三紀彦の小説『飾り火』。もう何年前になるだろう。テレビドラマで林隆三と篠ひろ子の共演で、『誘惑』というタイトルでやっていた。続きを読む
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『春琴抄』 (2001-03-31)春琴抄。谷崎潤一郎の中期の作品。続きを読む
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『細雪』 (2001-03-12)文芸シリーズになってしまった(^^; あまり興味のない方、ごめんなさいm(__)m続きを読む
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『女ざかりの痛み』と男の「失楽園願望」 (2001-03-10)森瑶子のエッセイに、『女ざかりの痛み』という作品がある。彼女が35歳で『情事』という作品を書いた背景などがかかれている。彼女の小説・エッセイの主題は、52歳で亡くなるまで、常に「女ざかりの痛み」だった。わずかのソースをいろいろに拡げて、たくさんの作品を書いた。シナリオハンティングのための旅行にも積極的に出かけたようだ。これらの作品を旦那さんが読んだら大変だと思うが、旦那さんはイギリス人で日本語が読めなかったそうで…(^^)続きを読む