ラブレターズ

その375(2008.03.02)苗場2月8日

8日は朝食を松風で。例年はあまり松風を利用してこなかったのだが、今回は朝も松風。特に、松風の朝食はおいしいの(食券の場合追加料金を支払う必要があるけど、その価値あり)。まずリンゴ酢のジュースが出てきて、次にお盆で一気に出てくる。内容は、ごはんと味噌汁、煮物、鮭、烏賊刺、卵焼き、生たらこ、焼き海苔、梅干、香の物、それから甘い味の付いた味噌が少しという、ごはんのお供がズラッと並ぶ。そして、果物が端の方にのっている。ごはんはお代わり自由。1膳ではとてもこの豊富なご飯の供を食べきれないので、ついつい2膳食べてしまう(写真は最終日が終わった翌日の朝に撮影)。
朝食後は、部屋でひたすらY MODE閲覧や読書。お昼はどうしたっけ。ありゃ? 記憶にないゾ。何か買ってきて部屋で食べたのかも。

夕方5時からはグッズ並び。かいづさんがY MODEで苗場では5時からグッズ購入の列ができるなどと書かれるものだから、これは早く並ばねばとがんばった。そしてそのまま夕食へ。予約が7時だったので、若干遅刻(^^;

ユーミンディナーはボーセジュール。いくら胃のために油物は控えないといけないと言っても、やっぱりここは外せない。

メニュー 雪だより 真冬のサーファー 冬の終りと春よ来い 左の写真がユーミンディナーのメニュー。
スープは写したはずなのだがなぜかなく、肝心のスイーツのときに携帯の電源が切れてしまったのだが、多少なりとも雰囲気が伝わればと思いアップ(^^)
ちなみに、スープの名前についている「花」はきのこで、花の形をしたきのこと、花びらのようなものが入っていた。あっさりしているようで濃厚な味のコンソメスープだった。
スイーツは、シャトレーヌに移動してゆっくりと。小さなケーキがお皿の上にいくつもあって、その上に乗った綿菓子の嵐が豪華さを演出していた。
なお、冬の終りと春よ来いは同じお皿のメインと付け合せ。あれ? 春よ来いは? と一瞬思うが、よーく読むとあ、そっかである(^^;。
(写真のあるメニューについては、メニューの該当個所をクリックするとそのメニューの写真が。他の場所をクリックするとメニューが拡大表示されます)

そしていよいよコンサート。
この日のリクエストは挙手だった。今年の苗場はAコースが抽選、Bコースが挙手という趣向だということがこのときわかった。
抽選のドキドキと挙手による中身の濃いお話と、両方味わえるのもなかなかいいわね。うちのような引っ込み思案夫婦の場合は抽選の方が好みだけど、手を挙げた人による深い話が聞けるというのも苗場の醍醐味だわ。

そうそう。なんと、この日も前日に続いてプロポーズがあった。
最後にリクエストされた方だったのだが、なんと、「WANDERERS」をリクエスト。ユーミンもこれにはビックリ。「激しいよ? これをリクエストでやるの?」と言いつつ面白そうということで受けたのだが、リクエストの理由が、「WANDERERS」という言葉をプロポーズに使ったというものだったのだ。
どのように使ったかは、人様の思い出深いプロポーズの言葉を勝手に書くのも気がひけるので詳しくは書かないが、ダイビングの用語「バディー」という言葉と組み合わせた素敵なプロポーズだった。
でも、「バディー」という言葉の意味がわからず、ユーミンはじめ多くの人がキョトン(^^;(もちろん私も) 説明されてようやく理解したユーミン、「次回のアルバムに使わせてもらうかもしれない」と言っていた。次回のアルバムが今から待ち遠しいわ。きっと「あ、これこれ」って思うんだろうな(^^)

その374(2008.02.22)苗場2月7日

今年の苗場は全部で5公演観た。初日の記録を書いてから随分間が開き、苗場の公演もすでに終わってしまったが、遅ればせながら、記録を再開したいと思う。

私たちの、今年の苗場2回目は、2月7日、8日のツアー連泊コースだった。

7日は、到着後すぐに翌日のユーミンディナーを予約し、当日夜の分は、松風でしゃぶしゃぶを予約し、心していただいた。

この日の曲目は初日と同じAコース。
リクエストコーナーは抽選だったが、その3回目に、とっても素敵なハプニングがあった。なんと、ユーミンの応援のもと、舞台上の彼から客席の彼女へのプロポーズがあったのだ。
たまたま席が彼らのそばだったため、彼も彼女もよく見えた。リクエスト曲は、彼女の希望で「雪月花」。とってもお似合いのカップルだった。

その373(2008.02.11)苗場初日

2月4日、苗場の初日に行ってきた。
この日はチケットのみで、部屋は苗場プリンスホテルのサイトから予約したが、予約するのが遅かったためか、4号館はもうなく、ちょっと贅沢に3号館を予約した。

部屋に行くためにエレベーターに乗ったところ、「なんだか寒いわねぇ」と思った。
気のせいかと思ったが、部屋に入ってもやはりなんとなく薄寒いので、エアコンを調節しようとしたところ、最高温度にしてもまったく変わらず(^^; 夜には多少温度は上がったように感じたが、マサノリは結構寒かったようで、翌朝ブツブツ言っていた。
7日8日に4号館に泊まったときはもう少し暖かかったので、宿泊者の密度が影響したのだろうか(^^;

ロビーやブリザーディウムについては寒いということはなかったが、例年の過剰なまでの暖房はなく、その点では、喉にも肌にも髪にもちょうどよい感じで、コンサートのときには特に薄着をする必要はなかった。

たくみ庵ランチョンマットこの日の夕食は、年末から私の胃の調子が良くないため和食にしようということで、「たくみ庵」という店でとった。カウンターとテーブルが2つくらいだろうか、ごく小さなおでんやさんという感じのお店だ。
夕食券メニューは鰻を中心にしたもので3,000円と5,000円のものがあったが、マサノリは鰻は苦手だし、私も胃に響くのでダメ。ということで、おでんを中心に1つ1つ注文。夕食券1枚で5,000円まで注文できるということで、2枚で10,000円。ただし、いくら食券の金額が余っていようとも、飲み物代は別料金で、食券のおつりも出ない。
それにしても、メニューがそれほど多くないこともあり、1つ1つ注文して1人5,000円の元を取るのは至難の業だ。その場合は1枚のみを使うということもできるので、その選択を考えた方がいいだろう。

なお、このお店では、ユーミンのコンサート期間中ということでだろうか、BGMはユーミンの曲(セルフカバーアルバムだった)が流れており、ランチョンマットはごらんのとおり、ユーミン仕様だった(スペルが微妙だけど(^^;)。

さて、コンサートの選曲だが、私は特に「さみしさのゆくえ」が嬉しかった。
リクエストは抽選だったが、「月曜日のロボット」は珍しかった。リクエストコーナーでこの曲は思い浮かばない。リクエストされた方も、そこを狙ったとのことで、スゴイ!

翌日は苗場から仕事先に直行。帰宅の足でお医者で胃カメラの結果(年末から体調を崩し、胃カメラの検査をした)を聞きに行き、胃炎とのことでその薬が出たら、ホッとしたのか元気が出た。さらに、食後すぐにこの薬を飲んでいれば、胃の痛みに苦しむことはなくなった。
これでこの後も続く苗場ライフをさらに楽しいものにすることができるわ(^^)

その372(2008.01.23)『この三つのもの』

この三つのもの佐藤春夫著『この三つのもの』を読んだ。
その370『アンボス・ムンドス』を読んだときに興味を持ったのがきっかけだ。

この作品は、小田原事件の後、谷崎と佐藤春夫がこの事件を題材にお互いに作品を発表し合っていた頃のものだが、まぁ、見事に写実なもので、登場人物の誰が誰のことでということがハッキリとわかる。
それならそれで、登場人物を谷崎夫婦と自分の周辺だけにしておけばいいものを、なぜか北原白秋夫妻の離婚騒動や、ある女優さんのお話まで入っているものだから、これはもう文豪による暴露本とも言うような内容だ。

けれどもその姿勢は、当時の自分の心境を分析し、さらに谷崎のその時々の表情の変化を忠実に思い出しながら当時の谷崎の心境をあぶりだしていくというもので、努めて冷静に書かれている。

でも、なぜ北原白秋夫妻まで巻き込むのかと思ったが、それはタイトルに秘密があったようだ。
つまり、北原白秋夫妻は、谷崎の積極的な関与によって(それも谷崎の都合も含まれていた可能性あり)、本当はお互いに別れたくないのに別れる結果になり、佐藤春夫はいろいろな事情があり当時の妻と別れ、谷崎夫妻は、傍から見れば一目瞭然の千代夫人の妹と谷崎との不倫にただ一人千代夫人本人が気づかず、周囲がヤキモキしているという状況の中、佐藤春夫が当時の妻と別れたのを機会に谷崎は千代夫人を佐藤春夫に譲る申し出をする。この3組の夫婦を並べることで、きっと読むであろう谷崎に対して何かを感じてもらいたかったのかもしれない。

その筆は、千代夫人に対する恋心よりも、谷崎に対するこだわりの方が図らずもにじみ出ているようだ。本人はそのつもりはないのかもしれないが、読んでいるうちに、なんだか谷崎へのラブレターのように感じるのだ。

ところで、この作品の中には、谷崎が千代夫人をステッキで打つシーンが登場するが、当時の谷崎夫妻のことが語られるときに必ず出てくるこの行動を、ただ谷崎が癇癪をおこしてというように語られることが多い。
でも、私はどうしてもそうは思えない。もしかしたらこの作品を書いているときに佐藤春夫もそれに気づいたかもしれないと、その前振りから推測できるのだが、これは、それを佐藤春夫の前でわざわざ見せることによって、とりあえず千代夫人に対しては妹とのことをゴマカすのと、いよいよ佐藤春夫に千代夫人を譲る意志を固めるための芝居だったように思うのだ。

友人の前で妻をステッキで打つというシーンは、実はその数年前の谷崎の作品に出てくる。その353で取り上げた、『熱風に吹かれて』だ。
このことはなぜか、あまり繋げて語られないのだが、この作品で、彼女の夫が主人公の目の前で彼女をステッキで打つシーンがあり、その後、主人公は彼女をその夫から奪おうと決心するのだ。
実際、当時一緒に住んでいた谷崎の末弟である終平さんも、谷崎が千代夫人にそんなことをするシーンは記憶にないと、その著書『懐しき人々─兄潤一郎とその周辺』で書いている。
当時子供だった終平さんにはそういうシーンは見せないようにしていたとも考えられるが、それならなぜそれを佐藤春夫に見せたかということになる。やはり、谷崎がそれを思い出してわざとこの有名なステッキのシーンを演じたのではないかと、私にはどうしてもそう思えるのである。

そうそう。講談社の文庫本の解説を千葉俊二という人が書いている。谷崎ファンにはお馴染みの名前で、私もいくつかその文章が書かれている本を持っているので勝手に親しみを感じている(つまり、谷崎ファンであると同時に千葉俊二ファンでもある)のだが、その解説文で、「秋刀魚の歌」を取り上げている。で、なんと、この方のお母さんも、サンマを焼くたびに「さんま、さんま、/さんま苦いか塩つぱいか」と口ずさんでいたと書かれている。
その313で書いた実家の母のような人が他にもいたということで、ますます親しみを感じてしまった。

その371(2007.12.28)『人妻魂』

人妻魂嵐山光三郎著『人妻魂』を読んだ。ヒデさんのお勧めで、早速注文。じっくり読んでたので、お勧めいただいてから時間がかかってしまった。

さて、この『人妻魂』。マガジンハウスの雑誌「ダカーポ」に連載されていた『人妻歳時記』の中から文人の妻についてのみを単行本化したものだそうだ。
ダカーポは残念ながら12月5日発売の号で休刊だそうだが、うちにも1冊あるが、セカンドバックに入るサイズの中にギッシリとつまった知識欲を刺激する内容には、ファンも多かったのではないかと思う。

この本には、北原白秋の3人の妻や谷崎の最初の妻千代夫人の他、瀬戸内作品や林真理子作品でおなじみの人たち、時代を反映したアナーキーな人たち等が登場する。
1人1人にあてられるページ数が少ないので、かなり表面的な感じはするが、それでもこれだけ多くの女性の生き方が読めるのはうれしい。読み終わった後も、パラパラとめくってはところどころ読み返したりしている。
男性著者が男性目線で書いたもののせいか、女性である私が読むと若干毒を感じるのだが、それでもライトで面白いので、特に文学に興味のない人でも気楽に読める。

私がこの本の中で特に印象に残ったのは芥川龍之介。人妻ではなく、やたらもてたという芥川龍之介のことだ。

この人については谷崎とのかかわりの部分だけで、あとは学校の授業でしか知らなかったが、この本を読んでみたところ、なんと、普段から死にたくて死にたくて、しかも一人では死にたくなくて、随分困った人だったらしいことがわかった。

心中と言ったら太宰治が有名だが、この人もそれに負けず劣らずで、
ある女性と一度心中未遂して、再度挑戦しようとしていたところをこの本に登場する柳原白蓮が止めたという記述がある。白蓮は芥川に

「アンタ、死ぬなら一人で死になさい」

と叱り飛ばしたそうだ。

で、芥川龍之介はこのときは思いとどまるのだが、結局その3ヵ月後に自殺してしまう。
ということは、芥川が自殺したのが昭和2年7月24日だから、この事件は昭和2年の4月。
谷崎と芥川が料亭に泊まって松子夫人と知り合ったのが3月なので、その直後なのねぇ。

いずれにしても谷崎との論争の最中ということで、まるで谷崎を精神的心中相手にしたという感じだわね(--;
もしかしたら谷崎と料亭に泊まったときも死ぬつもりだったのかもしれないなんて、思ってしまうわ。

この本には芥川の妻も登場する。夫に自殺された後、2人の優秀な息子を育てた女性として。

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